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田村ゆみこ内科クリニック 〒262-0032 千葉市花見川区幕張町5丁目417-243 ブランズ幕張2F
℡ 043-296-9255

健康のアドバイス

このページでは健康に役立つ情報を提供させていただきたいと考えております。少しずつではありますが内容を追加していきますのでぜひご覧になってください。

女性ホルモン補充療法(HRT)のこと、女性なら知っていてほしいのです。

◎ まず、女性ホルモン補充療法(HRT)の知識を持ちましょう。 

女性ホルモン補充療法のことを外来でよく質問されます。
ほとんどの方が「更年期の症状を改善する他に効果があるとは知らなかった。」「もっと早く知っていれば・・損をした気持ちです。」「ホルモン補充療法って費用が高いと思っていました。」等々、反応は様々です。まだまだ日本は、女性ホルモン補充療法後進国なのです。
 私が 女性ホルモン補充療法(HRT)を、内科でも行う必要があると強く感じたのは、1990年代でした。40代半ばあたりからコレステロール値がグンと上がってしまった、急に太りやすくなってしまった、健診で骨粗しょう症を指摘された、更年期症状(のぼせ、めまい、不眠、抑うつ・イライラなど)がではじめた といった女性を本当に沢山診てまいりました。
 これらの現象のほとんどは、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減ったために生じているにもかかわらず、高コレステロール血症については「コレステロールを下げる薬」、骨粗しょう症傾向については「骨の代謝をよくする薬」、更年期症状については「精神安定剤や睡眠導入剤」といった治療が第一選択となっている場合が多いのです。
 *女性ホルモンの治療を受けるか受けないかは、HRTの知識を持った上で、ご自身で判断されるのが望ましいと思います。

◎ 女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンがあります。エストロゲンは、非常にありがたいホルモンで、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすと同時に、血管柔軟性を保つ作用があります。皮膚に対しては潤いを与え、骨に対しては骨の破壊を抑えます。脳に対しても、記憶や気分に直接作用している可能性があるといわれています。女性が心も体も若々しく保たれていたのは、このエストロゲンの働きが大きいのです。

◎ そんなありがたいエストロゲンですが、40歳を境にドンドン低下してしまいます。そして55歳を過ぎると、なんと!男性が分泌しているエストロゲンより少なくなってしまうのです。こんなに急激な変化がおこるのですから、いろいろ体に変化がおこってしまうのもあたりまえですよね。

◎ 昔は、今ほど寿命が長くなかったので、閉経後の女性の生き様を、深刻に考えなくてもよかったのかもしれません。しかし、20世紀の間に寿命は30年延びました。先進国の赤ちゃんは、100歳まで生きられます。私たち女性は、閉経後50年間、エストロゲンに守られることなく生きていかなくてはなりません。寿命の延びた分、ほんの数年でも、不足しているホルモンを補充したっていいでしょう?